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事前調査|開発許可が要るかの判断と、かかる規制の洗い出し

事前調査は、開発許可の手続きの最初の段階です。ここで「開発許可が要るか」と「どんな規制がかかるか」を調べます。判断を誤ると、許可を受けずに工事を始めてしまったり、後から別の許可が要ると分かって計画を組み直したりすることになります。

開発許可が要るかは、計画が「開発行為」に当たるか、土地がどの区域にあるか、開発区域の面積がいくつか、許可の要らない開発行為に当たらないか、の順で決まります。この頁では、その判断の順番と、あわせて洗い出す盛土規制法の区域・都市計画の制限・他の法令の手続きを、チェックリストでまとめます。調べた結果は、事前相談で窓口に確かめます。

この段階の位置づけ
根拠の条文
都市計画法 第4条第12項・第29条・第33条第1項、施行令 第19条・第22条の2・第22条の3・第23条の2
法定の手続きか
法定の手続きではない(設計者が計画の前提を調べる作業)
調べる先
都市計画の図(区域区分・用途地域・地区計画)、盛土規制法の区域図、ハザードの区域(災害危険区域・土砂災害特別警戒区域など)、自治体の開発の手引きと条例・要綱
主な成果
開発許可の要否の判断と根拠、かかる規制と要る手続きの一覧、事前相談で確かめる事項
目次

開発許可が要るかは、4つの順で判断する

  1. 開発行為に当たるか:主として建築物の建築や特定工作物の建設のために行う、土地の区画形質の変更か(第4条第12項)
  2. どの区域にあるか:市街化区域・市街化調整区域・区域区分の無い都市計画区域・準都市計画区域・それ以外
  3. 面積が許可の要る大きさか:区域ごとの面積(第29条第1項第1号・施行令第19条、第29条第2項・施行令第22条の2)
  4. 許可の要らない開発行為ではないか:農林漁業用の建築物、公益上必要な建築物、都市計画事業など(第29条第1項第2号〜第11号)

開発行為に当たるか:目的と「区画形質の変更」の両方を見る

開発行為は、主として建築物の建築または特定工作物の建設のために行う土地の区画形質の変更です。建物を建てる目的の造成や区画の変更は当たり、建物を建てない資材置き場の造成などは、開発行為に当たらないことがあります。区画・形質の変更の範囲(どこまでの切土・盛土や区画の変更を含めるか)は、自治体が手引きや審査基準で示しているので、計画地の自治体の基準で確かめます。

開発行為に当たらなくても、盛土規制法の区域なら盛土規制法の許可が要ることがあります。開発許可の判断と盛土規制法の判断は、別々に行います。

区域と面積:許可が要る大きさは区域で違う

区域許可が要る面積根拠
市街化区域1,000m²以上(首都圏・近畿圏・中部圏の既成市街地などの区域は500m²以上)。条例で300m²まで下げられる第29条第1項第1号、施行令第19条
市街化調整区域面積にかかわらず要る(面積で外れる定めが無い)第29条第1項
区域区分の無い都市計画区域・準都市計画区域3,000m²以上。条例で300m²まで下げられる第29条第1項第1号、施行令第19条
都市計画区域・準都市計画区域の外1ha以上第29条第2項、施行令第22条の2

条例で面積を下げている自治体があるので、施行令の値だけで判断しないようにします。開発区域が2つ以上の区域にまたがるときは、施行令第22条の3の決まりで判断します(たとえば、合計が1ha以上なら、都市計画区域の外の部分も含めて許可の対象になります)。

許可の要らない開発行為

第29条第1項の第2号から第11号は、許可の要らない開発行為を挙げています。主なものは次のとおりです。

  • 市街化調整区域・区域区分の無い都市計画区域・準都市計画区域での、農業・林業・漁業の用に供する建築物と、その業務を営む者の住宅のための開発行為(第2号)
  • 駅舎・図書館・公民館・変電所など、公益上必要な建築物のうち政令で定めるもののための開発行為(第3号)
  • 都市計画事業・土地区画整理事業・市街地再開発事業などの施行として行う開発行為(第4号〜第8号)
  • 非常災害のための応急措置として行う開発行為(第10号)
  • 通常の管理行為・軽易な行為などで政令で定めるもの(第11号)

許可が要らなくても、盛土規制法の許可や、他の法令の手続きは別に要ることがあります。

あわせて洗い出す規制

開発許可が要ると分かったら、設計の条件になる規制を洗い出します。審査の基準(第33条)に直接かかわるものから順に見ます。

調べること設計への効き方根拠
盛土規制法の区域(宅地造成等工事規制区域・特定盛土等規制区域)と指定日盛土規制法の技術的基準が開発許可の基準に加わる。中間検査・定期の報告の要否第33条第1項第7号、盛土規制法 第10条・第26条
用途地域・地区計画などの都市計画予定建築物等の用途が制限に合うか。地区計画の内容に合う設計か第33条第1項第1号・第5号
災害危険区域・地すべり防止区域・土砂災害特別警戒区域・浸水被害防止区域・急傾斜地崩壊危険区域自己の居住用以外の開発行為では、原則として開発区域に含められない(支障がないと認められるときを除く)第33条第1項第8号、施行令第23条の2
市街化調整区域の立地の基準第34条のどの号に当たるか。当たらなければ許可されない第34条
開発区域の面積による基準樹木の保存・表土の保全(第9号)、緩衝帯(第10号)、輸送の便(第11号)は、政令で定める規模以上の開発行為にかかる第33条第1項第9号〜第11号
自治体の条例・要綱・手引き条例による技術基準の強化、事前協議の手続き、近隣への説明の決まり第33条第3項・第4項など、各自治体の条例・要綱

他の法令の手続きも、計画地しだいで要る

開発区域の土地や周りの状況によっては、開発許可とは別の法令の手続きが要ります。たとえば次のようなものです。どれが要るかは計画地で違うので、事前相談で窓口に確かめます。

  • 農地を含む:農地転用の許可や届出(農地法)
  • 森林を含む:林地開発の許可や伐採の届出(森林法)
  • 周知の埋蔵文化財包蔵地にかかる:土木工事の届出や試掘(文化財保護法)
  • 砂防指定地・河川区域などにかかる:それぞれの法令の許可
  • 景観計画の区域などにかかる:景観法や条例の届出

事前調査のチェックリスト

  • 計画が開発行為に当たるか(目的と区画形質の変更の範囲を、自治体の基準で確かめた)
  • 区域区分と、許可が要る面積(条例で下げていないか)
  • 許可の要らない開発行為に当たらないか
  • 盛土規制法の区域にかかるか、区域が指定された日、中間検査・定期の報告を条例で上乗せしていないか
  • 用途地域・地区計画、災害危険区域などの区域にかからないか
  • 市街化調整区域なら、第34条のどの号に当たるか
  • 他の法令の手続き(農地・森林・埋蔵文化財・砂防など)の要否
  • 自治体の事前協議の手続き(条例・要綱)と、開発の手引きの最新版

まとめ

事前調査では、開発行為に当たるか、区域、面積、許可の要らない開発行為か、の順に開発許可の要否を判断し、盛土規制法の区域や都市計画の制限、他の法令の手続きを洗い出します。施行令の数値だけで決めず、条例や手引きで自治体ごとの決まりを確かめてから、事前相談に進みましょう。

参考にした法令・資料

  • 都市計画法(昭和43年法律第100号)第4条第12項、第29条、第33条、第34条(e-Gov 法令検索)
  • 都市計画法施行令(昭和44年政令第158号)第19条、第22条の2、第22条の3、第23条の2(e-Gov 法令検索)
  • 宅地造成及び特定盛土等規制法(昭和36年法律第191号)第10条、第26条(e-Gov 法令検索)
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この記事を書いた人

土質 太郎のアバター 土質 太郎 地盤技術者

建設コンサルタントに長年従事しています。開発許可の申請で設計者が受け持つ調査・協議・設計・検査の進め方を、手続きの流れに沿って解説しています。

■保有資格
・地質調査技士(現場技術・管理部門)
・1級土木施工管理技士
・地盤品質判定士