完了検査と工事完了公告|工事完了届出から検査済証・公告まで
開発行為の工事が終わったら、開発許可を受けた者は工事完了の届出をし、工事が許可の内容に合っているかの検査を受けます(第36条)。検査に合格すると検査済証が交付され、続いて工事が完了した旨が公告されます。この公告が、建築の制限が外れ、公共施設が引き継がれる区切りになります。
設計者が受け持つのは、検査で「許可の内容に合っている」ことを示す資料づくりです。許可の後に計画を変えていれば、変更の許可や届出が済んでいることが前提になります。この頁では、届出の2つの種類、検査と公告の流れ、公告で何が変わるか、盛土規制法の完了検査との関係、検査の前にそろえる資料を解説します。
- 根拠の条文
- 都市計画法 第36条、施行規則 第29条〜第31条。盛土規制法の区域では、盛土規制法 第17条第3項・第36条第3項
- 届け出る者
- 開発許可を受けた者(設計者が資料をつくり、検査に立ち会うこともある)
- 出すもの
- 工事完了届出書(別記様式第4)、公共施設の工事だけを先に終えたときは公共施設工事完了届出書(別記様式第5)
- 主な成果
- 検査済証(別記様式第6・第7)と、工事完了の公告
工事完了の届出は2種類:区域全体と、公共施設の部分
第36条第1項は、開発区域(工区に分けたときは工区)の全部の工事を終えたときに届け出ることを求めています。あわせて、工事のうち公共施設に関する部分は、その公共施設の工事を終えたときに届け出る形も定めています。
| 届出 | いつ出すか | 様式(施行規則) | 検査済証の様式 |
|---|---|---|---|
| 工事完了届出書 | 開発区域(工区)の全部の工事を終えたとき | 別記様式第4(第29条) | 別記様式第6(第30条) |
| 公共施設工事完了届出書 | 工事のうち公共施設に関する工事を終えたとき | 別記様式第5(第29条) | 別記様式第7(第30条) |
工区は、開発区域を分けて順に工事と検査を進めるための区切りです。工区に分けるかどうかは、許可の申請書の段階で決めておく事項です(第30条第1項第1号)。大きな開発で、工区ごとに工事と検査を進めたいときに使います。
検査から公告までの流れ
開発許可を受けた者が、工事完了届出書(または公共施設工事完了届出書)を出します(第36条第1項・施行規則第29条)。
都道府県知事(指定都市・中核市は市長など)は、遅滞なく、工事が開発許可の内容に合っているかを検査します(第36条第2項)。
許可の内容に合っていると認められると、検査済証が交付されます(第36条第2項・施行規則第30条)。
検査済証を交付したあと、遅滞なく、工事が完了した旨が公告されます(第36条第3項)。公告には、開発区域(工区)に含まれる地域の名称と、開発許可を受けた者の住所・氏名が示されます。公共施設の工事の完了の公告では、公共施設の種類・位置・区域も示されます(施行規則第31条)。
検査で許可の内容と違う点が見つかれば、検査済証は交付されません。直す工事をするか、内容によっては変更の許可や届出を済ませてから検査を受け直すことになります。検査で見落としが出ないよう、許可の後の変更が全部手続きに反映されているかを、届出の前に確かめておきましょう。
公告で変わること:建築の制限・公共施設の管理・土地の帰属
工事完了の公告は、手続きの上で大きな区切りです。公告を境に、次のことが変わります。
| 変わること | 中身 | 条文 |
|---|---|---|
| 建築の制限 | 公告があるまでは、工事用の仮設建築物などを除き、建築物を建てられない。公告の後は、許可の予定建築物等以外を建てるには知事の許可が要る(用途地域などが定められている区域を除く) | 第37条・第42条 |
| 公共施設の管理 | 公告の日の翌日に、原則として市町村の管理に属する | 第39条 |
| 公共施設の用地 | 公告の日の翌日に、原則として公共施設を管理する者に帰属する | 第40条 |
管理と帰属の中身は公共施設の引継ぎと土地の帰属の頁で解説します。建築を急ぐ事業でも、公告の前に建築するには第37条の例外に当たる必要があります。
盛土規制法の区域では、完了検査もみなされる
盛土規制法の区域で開発許可を受け、盛土規制法の許可を受けたものとみなされた工事では、都市計画法第36条第1項の届出と、同条第2項の検査済証が、盛土規制法の完了検査の申請と検査済証とみなされます(盛土規制法第17条第3項・第36条第3項)。完了検査を2回受ける必要はありません。
一方、中間検査はみなしの対象ではありません。対象の規模なら、工事の途中で盛土規制法の中間検査を受けているはずです。完了検査の前に、中間検査合格証がそろっているかも確かめましょう。詳しくは盛土規制法との関係の頁で整理しています。
検査の前にそろえる資料
検査で求められる資料とその様式・部数は自治体によって違うので、手引きや検査の要領を事前協議のうちに確かめておきます。許可の内容に合っていることを示すために、次のような資料を用意します。
- 工事完了届出書と、許可書・変更の許可書や届出の控え(許可の内容と照らし合わせるため)
- 出来形を示す図面(完成した道路・排水施設・擁壁などの位置と寸法を、許可の設計図と対比できる形で)
- 工事写真(埋めてしまう排水施設や擁壁の基礎・裏込めなど、完成後に見えない部分)
- 品質を示す試験の結果(盛土の締固めや擁壁のコンクリートなど、許可の条件や自治体の基準で求められるもの)
- 公共施設の引継ぎに使う図面と、用地の帰属に使う測量の成果
完成後に見えなくなる部分は、検査の当日には確かめられません。工事の途中で写真と記録を残す段取りを、着手の前に施工者と決めておくと、検査で慌てずに済みます。
まとめ
工事が終わったら工事完了の届出をし、許可の内容に合っているかの検査を受けます。検査済証が交付されると工事完了の公告が行われ、建築の制限が外れ、公共施設の管理と用地が引き継がれます。
- 区域(工区)全体の届出(様式第4)と、公共施設だけの届出(様式第5)がある
- 許可の後の変更が、変更の許可・届出に反映されているかを届出の前に確かめる
- 盛土規制法の区域でも完了検査は1回でよい。中間検査合格証がそろっているかは確かめる
- 完成後に見えない部分は、工事中の写真と記録で示す
参考にした法令・資料
- 都市計画法(昭和43年法律第100号)第30条第1項、第36条、第37条、第39条、第40条、第42条(e-Gov 法令検索)
- 都市計画法施行規則(昭和44年建設省令第49号)第29条〜第31条(e-Gov 法令検索)
- 宅地造成及び特定盛土等規制法(昭和36年法律第191号)第17条第3項、第36条第3項(e-Gov 法令検索)
