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開発許可申請|申請書と添付図書、審査と許可の通知

開発許可の申請は、申請書に設計説明書・設計図と添付図書をそろえて許可権者に出し、第33条(市街化調整区域では第34条も)の基準で審査を受ける段階です。許可権者は、遅滞なく許可か不許可の処分をし、文書で通知します(第35条)。

設計者が受け持つのは、設計説明書と設計図の作成と、図書どうしの整合です。申請書の「設計」は、施行規則第16条が決めた設計説明書と8種類の設計図で示します。開発区域が1ha以上なら、設計図書は資格のある者が作成したものでなければなりません(第31条)。この頁では、申請書の記載事項、設計説明書と設計図、添付図書、審査の基準と許可の通知、申請の前に見直す点を解説します。

この段階の位置づけ
根拠の条文
都市計画法 第29条〜第35条、施行規則 第15条〜第19条
出す相手
都道府県知事(指定都市・中核市の区域では市長。事務を処理する市町村もある)。都道府県が許可する場合、条例などで市町村を経由して出す形にしていることがある(国の運用指針 Ⅱ-1 にもこの形の記述がある)
設計者がすること
設計説明書と設計図をつくる(作成者の氏名を書く)、添付図書との整合を確かめる、審査の指摘に応じて図書を直す
主な成果
開発許可の通知(許可書)。許可の内容は開発登録簿に登録される(第47条)
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申請書に書く事項

申請書(施行規則の別記様式第2または第2の2)には、第30条第1項と施行規則第15条の事項を書きます。

記載事項根拠
開発区域の位置・区域・規模(工区に分けたときは工区も)第30条第1項第1号
予定建築物等の用途同第2号
開発行為に関する設計同第3号(中身は施行規則第16条)
工事施行者同第4号
工事の着手予定年月日・完了予定年月日施行規則第15条第1号
自己の居住用・自己の業務用・その他の別同第2号
市街化調整区域では、第34条のどの号に当たるかとその理由同第3号
資金計画(別記様式第3の資金計画書)同第4号・第16条第5項

資金計画は、自己の居住用の開発行為と、1ha未満の自己の業務用の開発行為では要りません。ただし、工事に盛土規制法の許可(第12条第1項・第30条第1項)が要る場合は、自己用でも資金計画が要ります(施行規則第15条の括弧書き)。盛土規制法の区域では、自己用の開発行為でも書類が増えることがあるので注意しましょう。

設計説明書と8種類の設計図

申請書の「設計」は、設計説明書と設計図で定めます(施行規則第16条第2項。自己の居住用は設計図だけ)。設計説明書には、設計の方針、開発区域内の土地の現況、土地利用計画、公共施設の整備計画(管理者となるべき者と、用地の帰属を含む)を書きます(同第3項)。

設計図は、施行規則第16条第4項の表で、図面ごとに明示する事項と縮尺が決まっています。設計図には作成した者の氏名を書きます(同第6項)。

設計図主に明示する事項縮尺
現況図地形(等高線は2mの標高差)、開発区域の境界、区域内と周辺の公共施設、樹木・表土の状況(1ha以上)1/2,500以上
土地利用計画図開発区域の境界、公共施設の位置と形状、予定建築物等の敷地の形状と用途、公益的施設、樹木の位置、緩衝帯1/1,000以上
造成計画平面図切土・盛土をする部分、がけ・擁壁の位置、道路の位置・形状・幅員・勾配1/1,000以上
造成計画断面図切土・盛土をする前後の地盤面(高低差の著しい箇所)1/1,000以上
排水施設計画平面図排水区域の区域界、排水施設の位置・種類・材料・形状・内のり寸法・勾配、水の流れの方向、吐口の位置、放流先の名称1/500以上
給水施設計画平面図給水施設の位置・形状・内のり寸法・取水方法、消火栓の位置(排水施設計画平面図にまとめてもよい。自己の居住用は不要)1/500以上
がけの断面図がけの高さ・勾配・土質、切土・盛土をする前の地盤面、がけ面の保護の方法1/50以上
擁壁の断面図擁壁の寸法・勾配・材料、裏込めコンクリート、透水層、擁壁を設ける前後の地盤面、基礎地盤の土質、基礎ぐい1/50以上

がけの断面図は、切土で高さ2mを超えるがけ、盛土で高さ1mを超えるがけ、切土と盛土を同時にして高さ2mを超えるがけについて作ります(表の備考)。ここでいう「がけ」は、地表面が水平面に対して30度を超える角度をなす土地で、風化の著しくない硬岩盤を除いたものです。

流量計算書・擁壁の構造計算書・求積図などは、この表にはありません。自治体の手引きで添付を求められることがあるので、事前協議で必要な図書の一覧を受け取っておきましょう。図面の中身の基準は、設計(技術基準)と、その下の3つの頁で解説します。

添付図書

申請書には、第30条第2項と施行規則第17条の図書を添えます。

  • 第32条第1項の同意を得たことを証する書面と、同条第2項の協議の経過を示す書面(32条の同意と協議)
  • 開発区域位置図(縮尺1/50,000以上の地形図に位置を示したもの)
  • 開発区域区域図(縮尺1/2,500以上。区域と、市町村界・字界・都市計画区域界、土地の地番と形状)
  • 第33条第1項第14号の相当数の同意を得たことを証する書類
  • 設計図を作成した者が第19条の資格を持つことを証する書類
  • 第34条第13号の届出をした者が申請するときは、区域区分が決まった際などに土地の権利を持っていたことを証する書類
  • 津波災害特別警戒区域の特定開発行為で、工事の後に地盤面が基準水位以上となる土地の区域があるときは、その区域の位置を示した地形図(縮尺1/1,000以上)

相当数の同意は「おおむね3分の2以上」

第33条第1項第14号は、開発行為の妨げとなる権利を持つ者の相当数の同意を求めています。国の運用指針は、相当数の同意に当たるのを、おおむね次の両方を満たす場合としています(開発許可制度運用指針 Ⅰ-5-11)。

  • 権利を持つすべての者の3分の2以上、そのうち所有権を持つすべての者と借地権を持つすべての者のそれぞれの3分の2以上の同意を得ている
  • 同意した者が持つ土地の地積と、同意した者の借地権の目的の土地の地積の合計が、土地の総地積と借地権の目的の土地の総地積の合計の3分の2以上である

同じ箇所で国は、事前協議の始まりの段階で相当数を大きく上回る同意を求めると開発者の負担が大きいので、事前協議と並行して同意を取る弾力的な運用を求めています。

設計者の資格(開発区域が1ha以上のとき)

開発区域が1ha以上の開発行為の設計図書は、施行規則第19条の資格を持つ者が作成したものでなければなりません(第31条・施行規則第18条)。20ha未満なら、たとえば大学で土木・建築・都市計画・造園の課程を修めて卒業した後、宅地開発の技術の実務経験が2年以上の者が当たります。学歴ごとに必要な実務の年数が違い、技術士(国土交通大臣が定める部門)や一級建築士で実務2年以上の者、宅地開発の実務7年以上を含む土木・建築・都市計画・造園の実務10年以上の者で登録講習機関の講習を修了した者なども当たります。20ha以上は、これに加えて20ha以上の開発行為の総合的な設計図書をつくった実務の経験などが要ります。

盛土規制法の区域では、高さ5mを超える擁壁や、盛土・切土をする面積が1,500m²を超える土地の排水施設を、盛土規制法の資格を持つ者が設計する必要もあります(盛土規制法との関係)。

審査の基準と許可の通知

許可権者は、開発行為が第33条の基準に適合し、申請の手続きが法令に違反していなければ、開発許可をしなければなりません(第33条第1項)。市街化調整区域では(主として第二種特定工作物のための開発行為を除き)、これに加えて第34条の各号(周辺の住民の日常生活に必要な店舗など、第1号から第14号まで)のどれかに当たる必要があります。第34条第14号に当たるかは、開発審査会の議を経て判断されます。

手続き中身条文
処分許可権者は、遅滞なく許可か不許可の処分をし、文書で申請者に通知する第35条
許可の条件都市計画上必要な条件を付けることができる(不当な義務を課すものであってはならない)第79条
開発登録簿許可の年月日、予定建築物等の用途、公共施設の種類・位置・区域などが登録され、公衆の閲覧に供される第46条・第47条
標準処理期間国の運用指針は、申請の受付から許可の処分まで、開発審査会の議を経る場合を除き原則1か月以内が適切としている。実際の期間は自治体が定める行政手続法第6条、運用指針 Ⅱ-1(1)③イ

盛土規制法の区域では、この開発許可で盛土規制法の許可を受けたものとみなされます(盛土規制法第15条第2項・第34条第2項)。工事の前の手続きは開発許可の通知で済みますが、工事中の中間検査と定期の報告は別に要ります。

申請の前に見直すこと

  • 申請書・設計説明書・設計図・計算書の数値(区域の面積、道路の幅員、排水の流量、擁壁の高さ)が、どの図書でも同じか
  • 第32条の同意書と協議書の図面が、申請の設計図と同じ版か
  • 土地利用計画図の敷地の形と用途が、予定建築物等の用途と合っているか
  • 開発区域が1ha以上なら、資格を証する書類がそろっているか。盛土規制法の資格が要る擁壁・排水施設の設計者も確かめたか
  • 盛土規制法の区域なら、自己用の開発行為でも資金計画書などの書類が要らないかを確かめたか

まとめ

開発許可の申請では、申請書に設計説明書・8種類の設計図・添付図書をそろえ、第33条(調整区域は第34条も)の審査を受けます。設計者は図書の作成と整合に責任を持ちます。

  • 設計図の種類・明示事項・縮尺は施行規則第16条第4項の表。計算書などは自治体の手引きで確かめる
  • 第32条の同意書・協議の経過を示す書面と、相当数の同意の書類を添える
  • 1ha以上は資格のある者の設計。盛土規制法の区域では盛土規制法の資格も確かめる
  • 許可は文書で通知される。盛土規制法の許可もみなされるが、中間検査と定期の報告は別

参考にした法令・資料

  • 都市計画法(昭和43年法律第100号)第29条〜第35条、第46条、第47条、第79条(e-Gov 法令検索)
  • 都市計画法施行規則(昭和44年建設省令第49号)第15条〜第19条(e-Gov 法令検索)
  • 宅地造成及び特定盛土等規制法(昭和36年法律第191号)第15条第2項、第34条第2項(e-Gov 法令検索)
  • 国土交通省「開発許可制度運用指針」(最終改正 令和7年3月19日 国都計第193号)Ⅰ-5-11、Ⅱ-1(1)(国土交通省の掲載PDF)
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この記事を書いた人

土質 太郎のアバター 土質 太郎 地盤技術者

建設コンサルタントに長年従事しています。開発許可の申請で設計者が受け持つ調査・協議・設計・検査の進め方を、手続きの流れに沿って解説しています。

■保有資格
・地質調査技士(現場技術・管理部門)
・1級土木施工管理技士
・地盤品質判定士