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公共施設の引継ぎと土地の帰属|第39条・第40条と建築への移り方

工事完了の公告があると、開発行為で設けた公共施設は、公告の日の翌日に原則として市町村の管理に属し(第39条)、その用地は管理する者に帰属します(第40条)。法律の上では公告の翌日に切り替わりますが、引き取る側が施設と用地を把握できるよう、図面と用地の資料を引き渡す作業が要ります。

設計者が受け持つのは、第32条の協議で決めた管理者・帰属・費用の取り決めどおりに引継ぎが進むよう、資料を整えることです。そのあとの建築では、建築確認で開発許可の規定への適合が確かめられます。この頁では、管理と帰属の原則と例外、引継ぎで整えるもの、建築の段階への移り方を解説します。

この段階の位置づけ
根拠の条文
都市計画法 第39条・第40条・第37条・第42条、施行令 第32条、施行規則 第60条、建築基準法施行令 第9条第12号
相手
公共施設を引き取る市町村などの管理者、建築確認の審査をする建築主事など
設計者がすること
引継ぎの図面と用地の資料をそろえる、第32条の協議書と照らし合わせる、建築の計画が開発許可の内容に合っているかを確かめる
主な成果
公共施設の引継ぎの完了、用地の帰属の登記、建築確認に使う適合の証明
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公共施設の管理は、公告の翌日に原則として市町村へ移る

第39条は、開発許可を受けた開発行為や工事で設けた公共施設を、工事完了の公告の日の翌日に、その公共施設がある市町村の管理に属するものとしています。例外は2つです。

  • 他の法律に基づく管理者が別にいるとき:その管理者が管理する
  • 第32条第2項の協議で、管理者について別に定めたとき:協議で定めた者が管理する

第32条第2項の協議は、新しく設ける公共施設を管理することとなる者との協議です(32条の同意と協議)。協議で管理者を決めていれば、その取り決めがここで効きます。協議書の中身と、引き渡す施設の一覧が食い違っていないかを確かめておきましょう。

用地の帰属は3つの場合に分かれる

公共施設の用地がだれのものになるかは、第40条が決めています。付け替えかどうかと、だれが管理するかで分かれます。

場合公告の日の翌日にどうなるか条文
従前の公共施設を付け替える従前の公共施設の用地で国・地方公共団体が持つものは、開発許可を受けた者に帰属する。代わりに設けた新しい公共施設の用地は、国・その地方公共団体に帰属する第40条第1項
新しく公共施設を設ける用地は、第39条で公共施設を管理すべき者に帰属する(管理する地方公共団体が第一号法定受託事務として管理するときは国)第40条第2項
開発許可を受けた者が自ら管理する第40条第2項の帰属の対象から外れる第40条第2項

付け替えは、開発区域の中を通る既存の水路や道路を、計画に合わせて別の位置へ移す場合です。従前の用地と新しい用地の交換が、公告の翌日に法律の上で行われる形になります。

主要な公共施設の用地には、費用の負担を求められる場合がある

市街化区域の中で、都市計画施設である主要な公共施設の用地が国・地方公共団体に帰属するときは、従前の所有者は、取得に要すべき費用の全部または一部の負担を求めることができます(第40条第3項)。対象は、幅員12m以上の道路、公園、緑地、広場、管渠を除く下水道、運河、水路と、河川です(施行令第32条)。第32条第2項の協議で費用の負担について別に定めていれば、その定めに従います。

引継ぎで整えるもの

引継ぎの書類と手順は、引き取る市町村や管理者ごとに違います。第32条の協議の段階で引継ぎの要領などを確かめ、工事中から資料を集めておくと、公告のあとの引継ぎが滞りません。整えるものは、次のような内容です。

  • 引き渡す公共施設の一覧(道路・水路・下水道・公園・調整池などの種類・位置・延長や面積)
  • 完成した公共施設の図面(平面・縦断・構造。許可の後に変えた部分も反映したもの)
  • 帰属する用地を特定する測量の成果と、登記に要る書類(だれが登記を申請するかは引き取る側の要領による)
  • 第32条の協議書と、管理・帰属・費用の取り決めの控え
  • 埋設された施設の写真や品質の記録(完了検査で使った資料と共通のもの)

建築の段階へ:公告の前の制限と、建築確認での確かめ

公告があるまでは、開発区域の中で建築物を建てられません(第37条)。例外は、工事用の仮設建築物を建てるとき、その他都道府県知事が支障がないと認めたときと、第33条第1項第14号の同意をしていない権利者が権利の行使として建てるときです。公告の後も、許可の予定建築物等以外の建築物を建てるには知事の許可が要ります(第42条。用途地域などが定められている区域を除く)。

建築確認では、開発許可に関わる規定(都市計画法第29条第1項・第2項、第35条の2第1項、第42条など)が建築基準関係規定として審査の対象になります(建築基準法施行令第9条第12号)。確認済証を受けようとする者は、計画がこれらの規定に適合していることを証する書面の交付を、許可権者に求めることができます(施行規則第60条)。建築の計画が許可の予定建築物等や敷地の形に合っているかを、設計者の側でも確かめておきましょう。

まとめ

公共施設の管理と用地は、工事完了の公告の日の翌日に、第39条・第40条に従って引き継がれます。設計者は、第32条の協議で決めた内容どおりに引継ぎが進むよう資料を整え、建築の計画が開発許可の内容に合っているかを確かめて、建築の段階へ渡します。

  • 管理は原則として市町村。他の法律の管理者がいるとき・第32条第2項の協議で別に定めたときは例外
  • 用地は「付け替え」「新設」「自ら管理」の3つで扱いが分かれる
  • 引継ぎの要領は第32条の協議の段階で確かめ、資料は工事中から集める
  • 建築確認では開発許可の規定への適合が審査される。適合を証する書面(施行規則第60条)の交付を許可権者に求めることができる

参考にした法令・資料

  • 都市計画法(昭和43年法律第100号)第32条、第33条第1項第14号、第37条、第39条、第40条、第42条(e-Gov 法令検索)
  • 都市計画法施行令(昭和44年政令第158号)第32条(e-Gov 法令検索)
  • 都市計画法施行規則(昭和44年建設省令第49号)第60条(e-Gov 法令検索)
  • 建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第9条第12号(e-Gov 法令検索)
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この記事を書いた人

土質 太郎のアバター 土質 太郎 地盤技術者

建設コンサルタントに長年従事しています。開発許可の申請で設計者が受け持つ調査・協議・設計・検査の進め方を、手続きの流れに沿って解説しています。

■保有資格
・地質調査技士(現場技術・管理部門)
・1級土木施工管理技士
・地盤品質判定士